「残業の常態化はおかしい」と悩んでいるあなたへ。
こんな状況が続くと、心身の健康を損なうだけでなく、友人や家族との時間、自分の成長のための時間まで奪われてしまいます。
「残業が当たり前になってる状況っておかしくない?」
という違和感は、実はあなたの健全な感覚が発しているSOSなのかもしれません。
この記事では、あなたと同じように悩んだことがある方の体験談と、仕事で限界を感じた時の対処法を紹介します。
あなたの「おかしい」という感覚は間違っていません。
健全な働き方を取り戻すために、一緒に解決策を探っていきましょう。
WEBアンケートで募集したブラック企業の体験談を紹介します。
入社したばかりの頃は、希望に満ち溢れていました。
「エンジニアとして会社の戦力になりたい!」と意気込んでいた新卒時代。
IT企業に入社できたことが嬉しくて、毎日ワクワクしながら通勤していたものです。
研修期間中は定時で帰れることが多かったので、「この会社で頑張っていこう」と前向きな気持ちでした。
ところが、配属先の部署に行った初日から違和感がありました。
周りの先輩たちの顔色が明らかに冴えないんです。
「みんな疲れてるのかな…?」とモヤモヤしながらも、新人の私は黙々と与えられた仕事をこなしていました。
配属から1ヶ月ほど経った頃、徐々に残業の実態が見えてきました。
朝8時半に出社して、定時は18時のはずなのに、18時を過ぎても誰も帰らない。
19時…20時…と時計の針が進んでも、会社の明かりは消えないのです。
「今日は少し早めに帰ります」
と言って21時に帰る先輩は「早く帰る人」と呼ばれ、他の先輩たちは22時、23時が当たり前。
しかも驚いたことに、これらはほぼサービス残業だったのです。
「え、これって…おかしくない?」
と思いつつも、新人の私は空気を読んで同じように残業していました。
周りがみんなやっているので、それが当たり前だと思い込んでいたんです。
半年が経ち、プロジェクトの納期が近づいてくると状況はさらに悪化。
「納期が厳しいから週末も出てくれない?」
と言われることが増えました。
先輩たちが当たり前に出社している中、新人の私はもちろん断れません。
ですが、休日出勤をするたびに「これっておかしいよな…」という思いが頭をよぎりました。
ある時、連休中にシステムトラブルが発生し、急遽呼び出されました。
友人との予定をキャンセルし、重い足取りで会社に向かう中、
「はぁ…なんで連休中まで働かないといけないんだよ…」
とため息ばかりでした。
2年目に入ると、心身ともに限界が見え始めました。
毎朝頭が重く、ベッドから起き上がるのも一苦労。
夜は疲れているのに、仕事のことが頭から離れず「あの作業、間違ってないかな…」と考え込んでしまい、なかなか眠れない日々が続きました。
食欲も落ち、体重は5キロも減りました。
3年目のゴールデンウィーク、久しぶりに大学時代の友人と集まりました。
お酒の力も借りて、ついつい会社の愚痴をこぼしてしまいました。
すると同じIT業界で働く友人が驚いた表情で
「その会社、めちゃくちゃじゃん!うちの会社は残業あっても全部ちゃんと残業代出るよ?それに休日出勤の手当が出ないなんてありえない」
と言ってくれたのです。
「ああ、やっぱりそうなのか…」
うすうすは感じていましたが、私が経験していた会社での働き方は、世間一般から見ておかしいことだったんです。
先輩たちから
「IT業界はだいたいどこもこんな感じだよ」
と聞かされていて、この業界ではこれが当たり前だと思い込んでいたことに気付かされました。
その日をきっかけに、転職を真剣に考え始めました。
転職サイトに登録し、残業時間や労働環境をしっかり確認しながら面接を受けました。
土日メインで活動していたため、少し時間はかかりましたが、なんとか転職することができました。
今では残業はあっても月20時間程度、しかも全て残業代がきちんと支払われます。
あの日「おかしい」と気付いて本当に良かったと思います。
残業が当たり前のように続いていて「これっておかしいんじゃないか」と悩んでいる時は、本当に辛いですよね。
ここでは以下の内容について説明していきますね。
残業が常態化している職場では、単に仕事量が多いだけでなく、会社の体質や従業員の心理状態など複合的な要因が絡み合っています。これらの原因を理解することで、あなたが置かれている状況が「おかしい」のかどうかを判断する助けになるでしょう。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
残業が常態化する最も根本的な原因は企業側の問題にあります。
なぜなら、適切な人員配置と業務量の見積もりができていれば、基本的に定時内で業務を終えられるはずだからです。
これらの問題は経営側や管理職の責任であり、従業員個人の能力や努力で解決できる範囲を超えています。
「頑張れば何とかなる」という発想で無理な業務設計をしている企業では、残業は偶発的なものではなく「構造的な問題」として常態化していると言えるでしょう。
日本の多くの企業では、未だに長時間労働を美徳とする風潮が残っています。
なぜなら、「遅くまで働くことが会社への忠誠心や仕事への熱意の証」という古い価値観が根強く、それが企業文化として定着しているからです。
このような企業文化は、法律の整備だけでは変わりにくいものです。特に中高年の管理職が「自分たちの時代はもっと厳しかった」という意識を持っている場合、若い世代が「残業の常態化はおかしい」と声を上げることはさらに難しくなってしまいます。
残業が常態化する背景には、従業員側の心理的要因も大きく関わっています。
なぜなら、多くの人が「断ると評価が下がる」「迷惑をかけたくない」という不安から、過剰な労働を受け入れてしまうからです。
このような心理状態に陥ると、本来なら「おかしい」と声を上げるべき状況でも黙ってしまいます。しかし、こうした心理的な問題は個人の弱さではなく、組織の構造的な問題から生まれているものだと理解することが大切です。
残業が毎日のように続き「もうこの状況はおかしい」と感じている時は、具体的な行動を起こすことが大切です。
ここでは以下の内容について説明していきますね。
残業が常態化している状況から抜け出すには、職場環境の改善を試みる、新しい職場を探す、思い切って退職するという3つの選択肢があります。
どの選択肢が最適かは、あなたの状況や優先順位によって異なりますが、どの場合も「自分の健康と人生を第一に考える」という姿勢が重要です。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
まずは現在の職場内で状況を改善できないか検討してみましょう。
なぜなら、すぐに転職や退職をする前に、社内の制度や人材を活用して問題解決を図ることで、より良い職場環境を作り出せる可能性があるからです。
残業が常態化している状況は、あなた一人の問題ではなく、組織全体の問題である可能性が高いです。
特に大企業であれば、「働き方改革」の一環として残業削減に積極的に取り組んでいる部署もあるかもしれません。社内の様々なリソースを活用して、まずは現在の環境を改善する可能性を探ってみましょう。
それでも改善が見込めない場合は、次のステップに進むことを検討する時期かもしれません。
社内での改善が難しいと感じたら、転職活動を開始するのも一つの選択肢です。
なぜなら、残業が常態化している企業文化を変えることは容易ではなく、自分に合った労働環境を持つ企業へ移ることで、より健全な働き方を実現できる可能性が高いからです。
忙しい毎日の中で転職活動を進めるのは大変かもしれませんが、転職エージェントを活用すれば、スケジュール調整や求人の選定などをサポートしてもらえます。特に残業が多く自分の時間が取りにくい状況では、プロの力を借りることで効率的に転職活動を進められるでしょう。
また、面接では遠慮せずに労働環境について質問することが重要です。残業が常態化していない、自分らしく働ける職場を見つけることが、長期的な幸福につながります。
残業の常態化により心身に深刻な影響が出ている場合は、退職を検討する時期かもしれません。
なぜなら、どれだけ高い収入や社会的地位があっても、健康を失ってしまっては元も子もないからです。時には「立ち止まる勇気」が必要です。
特に上司からのプレッシャーが強く、自分では退職交渉がうまく進まない場合や、精神的に追い詰められている場合は、退職代行サービスの利用も検討しましょう。退職代行サービスは、あなたに代わって退職の意思を伝え、必要な手続きをサポートしてくれます。
「辞めたいのに言い出せない」「退職を切り出すと引き止められる」といった状況から抜け出すための有効な手段となるはずです。
何よりも大切なのは、あなた自身の健康です。「残業が当たり前になっているのははおかしい」と感じた直感を大切にし、自分の人生を取り戻す決断をしてください。
ここでは、残業の常態化について悩んでいる時に感じる疑問に回答していきます。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間を超える労働は禁止されています。
ただし、労使協定(いわゆる36協定)を締結すれば、一定の範囲内で時間外労働が認められます。
2019年の働き方改革により、時間外労働の上限は原則月45時間、年360時間と定められました。
この上限を超えて常態的に残業させることは法律違反です。
また、残業代を支払わないサービス残業も明確な法律違反となります。
常態化した残業に疑問を持つことは正当な権利です。
参考:労働基準法
参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
「残業が当たり前」という考え方自体が時代遅れであることを伝えるのが効果的です。
具体的には「働き方改革で長時間労働の是正が国の方針となっています」「業務効率を上げることで残業せずに成果を出せると考えています」など、建設的な提案を交えて反論するとよいでしょう。
また、労働基準法の規定を引用するのも一つの手段です。
感情的にならず、冷静に自分の立場を主張することが大切です。
残業代が支払われないサービス残業は明確な法律違反です。
まずは会社の人事部や労働組合に相談し、状況改善を求めることをお勧めします。
それでも改善されない場合は、労働基準監督署への相談や転職を検討する価値があります。
長期間にわたるサービス残業は、あなたの時間だけでなく健康も奪います。
自分の権利を守るための行動を起こすことは、決して間違ったことではありません。
将来的なキャリアと健康のためにも、適切な対価が支払われる環境で働くことが重要です。
参考記事:全国労働基準監督署の所在案内
この不安は多くの人が感じるものです。
次の職場選びでは、面接時に労働環境について質問することが重要です。
「平均残業時間」「有給休暇取得率」「ノー残業デーの実施状況」などを具体的に質問しましょう。
また、転職サイトの口コミや、可能であれば実際にその会社で働いている人の声を聞くことも役立ちます。
働き方改革の影響で、残業削減に積極的に取り組む企業も増えています。
慎重に情報収集することで、より良い環境を見つけられる可能性は十分にあります。
健全な企業であれば、単に残業の多さではなく「成果」で評価するのが原則です。
残業の多さと仕事の質や生産性は必ずしも比例しません。
むしろ、効率的に働き、限られた時間で成果を出せる社員こそ高く評価されるべきです。
もし残業の量だけで評価する風土があるなら、それは時代遅れの企業文化と言えるでしょう。
自分の健康と時間を犠牲にしてまで残業することが評価につながる組織では、長期的なキャリア形成は難しいかもしれません。
ワークライフバランスを重視する企業への転職も選択肢の一つです。
残業が当たり前になっている環境で「これっておかしいんじゃないか」と感じるあなたの違和感は、とても健全なものです。
現代の働き方において、長時間労働の常態化は決して望ましいものではありません。
この記事でご紹介したように、残業が常態化している状況を改善するための選択肢もいくつも存在します。
社内での改善を求める、転職活動を始める、あるいは思い切って退職するなど、あなたに合った方法で行動を起こすことが大切です。
健康や生活の質を犠牲にしてまで仕事を続けることに価値はありません。
あなたの「おかしい」という感覚を大切にし、自分らしい働き方を実現するための一歩を踏み出してください。
必ず状況は変わります。
より良い職場環境と、充実した人生があなたを待っています。
「本当は今すぐ会社を辞めたいけど、辞める前に次の転職先を探しておきたい」という場合は、できるだけ早く転職活動を始めることをおすすめします。
もし、あなたがブラック企業で働いていて、「上司が怖いから会社を辞めたいと言えない…」と悩んでいるなら、退職代行サービスにサポートしてもらうのも一つの手です。